「一人の優秀な社員に頼り切っている」「頼むより早いから、自分が全てやってしまう」こんな悩みを抱える経営者の皆さま、朗報です。その悩み、“仕組み化” で解決できます。
今回のコラムでは、仕組み化とは何なのか、得られるメリットや仕組みづくりのポイントも併せて解説します。
仕組み化とは
仕組み化とは、属人化した業務プロセスやタスクを整理し、だれが行っても同じ成果を出せる仕組みをつくることです。仕組み化により、業務のムダな部分を減らし、人材や資金、時間を効果的に利用できるようになります。
例えば、一人の従業員に任せきりだった作業(その従業員にしかできない作業)を、その他の従業員にもできるように整備したり、デジタル技術を利用して、どの従業員が行っても同じ品質の成果が得られるようにすることなどが仕組み化に当てはまります。
業務のムダとは
業務のムダとは、業務の過程で時間・資源・労力・コストなどのリソースを浪費することを意味し、最終的には効率性や生産性を低下させる原因となります。「あの人にしか任せられない業務がある」「従業員によって成果に差がある」などの場合は、業務にムダがあると言えるでしょう。
仕組み化のメリット
仕組み化を導入するメリットは、大きく分けて3つあります。
個人への依存から脱却
業務のムダのひとつ、優秀な従業員への依存問題。属人化した状態だと、その優秀な社員が怪我・病気・退職などで今まで通りの業務遂行が難しくなったとき、特大ピンチが訪れます。そうならないためにも、普段から誰が行っても同じようにできるよう、業務を整備しておく必要があります。
仕組み化をすることで、より効率的な業務の流れをつくることができ、誰がやっても同じ品質・成果が得られるようになります。
社員教育にかかる工程を削減
属人化しやすい業務の一つとして、「ベテランの経験・知識・勘に頼った仕事」があります。これらの仕事は、人材の育成が難しく、同じ仕事ができるよう成長するまでに大量のコスト(時間・人件費など)がかかります。また、業務の内容を言葉に変換するのも難しいので、マニュアルを作成するにも時間がかかります。結局、手取り足取り教えても退職してしまったり…。
こんなときにも仕組み化は役立ちます。仕組み化によって生まれたマニュアルを利用すれば、人材の育成も簡単になります。また、急な業務の引継ぎにも対応できるようになります。
従業員・会社の成長に繋がる
仕組み化により、ベテラン社員以外でも一定の品質で成果を出せるようになると、ベテラン社員はより難易度の高い仕事に切り替えることができます。また、仕組み化によって業務フローが改善されれば、会社の売上や利益の増加が期待できます。
仕組み化を進めるための方法・フロー
仕組み化を進めるためには、以下のステップを追うことが一般的です。
業務の分析
現在の業務プロセスを詳細に分析し、どこで時間やリソースの浪費が発生しているかを把握します。その際、業務を3種類に分けます。
・誰でもできる単純な業務
・毎日することが決まっている業務
・知識・経験を使う必要がある業務
優秀な社員にしか任せられない仕事も、業務を分解して考えると「誰でもできる単純な業務」「毎日することが決まっている業務」が含まれていることがあります。
仕組み化する業務の選定
次に、洗い出した業務の中から仕組み化する業務を選定します。「誰でもできる単純な業務」「毎日することが決まっている業務」に当てはまる業務は仕組み化が成功しやすいです。こういった業務はマニュアル化しやすいので、今すぐ仕組み化をして生産性を上げましょう。
業務プロセスの決定
どのように仕組み化するのが最適か、業務プロセスを決定し、マニュアルを作成します。効率的な業務プロセスのマニュアルを作成することで、誰がやっても同じ品質・成果が得られるようになります。また、ITツールを利用して自動化するのも良いでしょう。自社に合った方法で取り組みましょう。
仕組み化を推進するポイント
仕組み化には関係者の協力が不可欠です。関わる従業員に対して、目的やメリットを明確に伝えましょう。また、仕組み化することにこだわってしまい、自動化が難しい業務(知識・経験を使う必要がある業務)を仕組み化しようとすると、本来の目的から離れてしまう(仕組み化の効果が出ない)場合があるので注意しましょう。
ここまでの話を聞いて、「結局マニュアルを作ることに時間を取られそう」と思った方もいるのではないでしょうか。マニュアルを作る気にはならない、でも仕組み化したいという方にオススメなのが、ITツールを使う方法です。ツールには大体使い方のマニュアルがついているので、手っ取り早く仕組み化することができます。業務の仕組み化に役立つシステムは沢山あります。ぜひ、自社にピッタリなツールを探してみてください。
まとめ
仕組み化を進めるためには、現状の分析から始め、具体的な目標を設定し、計画的に導入していくことが大切です。ビジネスの競争力を向上させ、持続的な成長を実現するために、仕組み化に積極的に取り組みましょう。
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