
道路貨物運送業界の課題と未来への提言
こんにちは。配車ステーションプロジェクトディレクターです。
最近のニュースを見て、道路貨物運送業界が直面している物流クライシスの危機について考えてみました。2022年度には道路貨物運送業の倒産件数が前年度の1.4倍になる263件に増加したそうです。さらに労働環境も厳しい状況にあります。記事によれば、実労働時間は全業種平均より30時間以上長く、現金給与額は全業種平均を1割下回っているそうです。
この状況には、燃料費高騰、BtoBの物流停滞などが影響していると考えられます。新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞する中、コロナ融資などで一時的に凌いでいた中小企業が、返済が開始したことで耐えきれなくなり倒産しているという話も聞きます。なんにせよ、高止まりしている燃料価格の影響は甚大で、荷主には「それでもやれている」という言葉に甘えることなく、運送事業者に親身になって交渉に応じてほしいと私は思っています。
そして、業界が直面している問題は、24年問題により更に深刻化する可能性があることを忘れてはなりません。労働基準法改正により、ドライバーの時間外労働上限が2024年から月60時間に制限されますが、この制限が実施される前に業界全体で解決に取り組まなければ「運ぶトラックがいない」という物流クライシスが起きる可能性があることを忘れてはなりません。
倒産数の増加や労働環境の悪化により、道路貨物運送業界は大きな課題に直面しています。運送業者はこれまで燃料費の高騰に耐えてきましたが、荷主の皆さんにはまずこのことに理解を示していただき、事業者との価格交渉に応じていただければと思います。そして24年問題は、運送事業者、荷主、ともに価格の交渉で済ますのではなく、物流の労働環境改善の問題として、オペレーションの見直しからステークホルダー全体で取り組んでいくべきだと私は思っています。それぞれが出来ること、考えられる知恵を持ち寄り、物流の新時代を創造していければ最高です。